CEO MESSAGE

代表メッセージ

なぜ、私はVettyをつくるのか

株式会社MOTOCLE 代表取締役 青木 基樹
株式会社MOTOCLE 代表取締役 青木 基樹

夜中の電話が、私の原点です

夜中に電話が鳴る。父が起きる。着替えて、病院へ向かう。 子どもの頃の私にとって、その光景は特別なものではなく、日常でした。

私は北里大学を卒業し、獣医師になりましたが、振り返れば、その道はもっとずっと前から始まっていたのだと思います。父も母も獣医師で、私は中学生の頃から動物病院を手伝ってきました。新患が来れば受け入れ、急患が入れば夜中でも動く。困っている飼い主さんに、できることを誠実にやり切る。正直に言えば、大変そうでした。でも、それ以上に、かっこよかった。獣医師という仕事は、ただ動物を診る仕事ではなく、誰かの不安と責任を引き受ける仕事なんだと、私はその背中から学びました。

家にはいつも犬や猫や鳥がいて、私は子どもの頃から生きものが大好きでした。虫を追いかけ、魚を捕まえ、トカゲや蛇にも夢中になるような子どもでした。だから獣医師になったのは、ある意味ではとても自然な流れでした。けれど、その「好き」は、やがて職業選択を超えて、自分の生き方になっていきました。

動物の力を、もっと大きく社会に生かしたい

大学で学び、臨床の現場に立つ中で、私は改めて動物の存在の大きさに気づかされました。犬や猫は、人より体が小さく、寿命も短い。それでも家族の中では、かけがえのない存在です。人を笑顔にし、家の空気を変え、ときには人を支える力さえ持っている。私はそこに、動物と動物医療の大きな可能性を感じました。

だからこそ、動物病院の中だけではなく、もっと広い視点からこの領域に貢献できないかと考えるようになりました。臨床を1年経験したあと、私は米国に渡り、政策や事業、そしてテクノロジーのあり方を学びました。そこで強く感じたのは、現場の善意や頑張りだけでは、課題はなくならないということです。いい医療を支えるには、いい仕組みがいる。そして、その仕組みは、現場で無理なく回る形で実装されて初めて意味を持つ。私はそこで、「想い」と「実装」は切り離せないのだと学びました。

現場を離れて見えた、本当の課題

2016年に日本へ戻ってからは、システム開発やDX支援に携わる一方で、動物病院の経営支援にも深く関わってきました。これまで自分が主催してきた経営会議は600回を超えます。売上、医療品質、ヒヤリハット、採用、育成、評価制度、法務、財務、借入。院長先生たちと毎月向き合う中で、現場の悩みをずっと見てきました。

その中で痛感したのは、動物病院の課題は単なる「忙しさ」ではないということです。採用が難しい。教育に時間がかかる。ナレッジが人についてしまう。引き継ぎが属人化する。院内のコミュニケーションが分断される。どこまでいっても、課題の中心にあるのは「人」と「情報の流れ」でした。動物医療は、人がつくる仕事です。だからこそ、その土台が整っていなければ、働く人も、医療の質も、長くは持たない。私はそこに、業界全体の構造的な課題を見ました。

継ぎはぎのDXでは、病院は変わらない

もちろん、既存のDXツールを組み合わせて改善できることはあります。実際、私もさまざまなプロダクトを見て、どう組み合わせれば病院が良くなるかを考え続けてきました。ただ、予約はこれ、連絡はこれ、タスクはこれ、カルテはこれ、という継ぎはぎの運用は、どうしても一部の器用な人に依存しやすい。毎日忙しく、責任が重く、夜中の対応もある現場で、それを病院全体の前提にするのは無理があります。

だったら最初から、受付から診療、記録、会計、引き継ぎ、院内連携、そしてAI活用までが、ひとつの流れでつながっているべきではないか。私はそう考えるようになりました。電子カルテは、ただ記録を残すための道具ではなく、現場を前に進めるための基盤であるべきだと思ったのです。

だから私は、Vettyに賭けています

2023年、私は受託開発中心だった事業から大きく舵を切りました。Vettyに集中すると決めたのは、この業界のデジタル化は、片手間では進まないと分かっていたからです。誰かがそのうちやってくれるだろう、では遅い。現場の痛みも、働く人たちの誠実さも、病院経営の難しさも知っていて、なおかつプロダクトをつくれる人間が、本気でやるしかない。少し強い言い方に聞こえるかもしれませんが、私にはそう思えるだけの現場がありました。

私たちがやりたいのは、いまある仕事をただデジタルに置き換えることではありません。動物病院を、半歩先へ、1歩先へ進めることです。AIも同じです。私はAIを、見せるための機能にしたくありません。忙しい診療の邪魔をせず、入力の負担を減らし、先生やスタッフが動物と飼い主さんに向き合う時間を増やす。そのためにAIを使いたいのです。ITが得意かどうかは、本質ではありません。動物医療に本気で向き合う人たちが、無理なく使えて、自然に助けられることのほうが大事です。

私は、各病院にとって少しおせっかいなくらいの技術パートナーでありたいと思っています。新しい技術を持ち込むだけではなく、それが現場に根づくところまで責任を持つ。そのために、同じ方向を向いて汗をかける仲間と一緒に、Vettyを磨き続けています。

この業界の未来を、一緒につくりたい

どこまでいっても、私は獣医師です。だから、Vettyを単なるソフトウェアとして売って終わるつもりはありません。私が本当にやりたいのは、動物病院という仕事の可能性を、もっと広げることです。働く人が報われ、動物によりよい医療が届き、飼い主さんがもっと安心できる。その先に、動物と人が一緒に豊かに暮らせる社会があると信じています。

私は他社と比較するためにこの事業をやっているのではありません。見ているのは、この業界の5年後、10年後です。まだ道の途中です。でも、本気でこの未来に責任を持つつもりです。ぜひ、Vettyを使い倒してください。そして、現場の声をぶつけてください。一緒にこの業界を次の世代へ連れていけたら、これ以上うれしいことはありません。